「写真小史」についての書評

「写真小史」についての書評

「写真小史」の作者ヴァルター・ベンヤミンは，モノクローム写真時代の素晴らしい思想家として、アナログ形式でモノクロームの写真の源流や技法に関した経緯や美しみを簡潔に摘要しました。まずは写真の濫觴について話し始め，マルクス主義の哲学の立場から写真の始めについての条件を提起し，写真の歴史において最初写真その人間を驚かした技術が保守的勢力に悪魔の技とされていたり芸術ではなく純粋な技術として採用されたりしていたという具合のを批判して、それらのフェティシズム的な無意識の本質の観念を暴いてから写真が芸術に認めてしまった喜ぶべきことをも述べ，彼が言ったことにおいては、写真の歴史において最初写真その人間を驚かした技術が保守的勢力に悪魔の技とされていたり芸術ではなく純粋な技術として採用されたりしており、益々写真に対して純粋な技術で撮影された物に対して単純な機械的産物を作り出すというフェティシズム的な無意識の本質の観念は，人間の画像より転じて成した写真が神が人間を創造する神の力ほどで神と等しい偉い力量であるという観念から写真がヨーロッパ大陸の人々に尊重され、最終に純粋な技術で、物への機械的な生成というフェティシズム的な観念を捨てられて芸術として認めてもらってしまった。

なお，作者も見事に写真によって肉眼が見た現実は実に無意識の加工で得られた空間であり「客観的」ではないという事実が写真の現像に知らせてもらったという歴史をも明言しました。写真は絵画の補充と最初で見なされていましたがまもなく写真独自の芸術風や重要性は気付かれてきました。最初に，写真は魔術らしく当時の人間を驚かしたことであり，次第に無意識で「客観的」と思い込んだ世界像を覆したにつれて魔術と技術との差異を徹頭徹尾で変化させました。そして，技術と魔術の差異は覆されて物質ので諸相に意味づけした白昼夢に忍び込んでいる無意識という状態が初めて精神分析や写真によって人間に知られ出しました。

そして，作者は写真により絵画家の職業への影響を陳述しました。写真はとりあえず修道院、墓所での撮影で彫刻の表情やふりを映すことを皮切りに、風景の静物写真において一定の造形上の理由を経てモデルの静止したふりに似た被写体を映したりして被写体のふりや衣服のしわなどへの写しは描画と美学上の共性が高く、延いては肖像画への写真に移行して翻って肖像画が写真に転換しようとするようになってきて、跳ね返って肖像写真も肖像画のように様々な衣服や陰影、しわなどの空間感の設計が要求されてきていた。写真は現代派諸風の絵画家に影響を及ぼしつつあります。一方で写真の真実な比例が肖像画を伝統の肖像画が写真に転換したりし、やはり絵画に残った肖像画はアニメ創作を創設するようにさせており，もう一方は風景画について様々な写真で空間構図をもたらした視学錯覚を使うように影響し、ますます芸術家の素養だけではなく職人の技術としての素養も写真家が備えておかなければならないようになりました。

そして益々写真としての芸術が進みの中で画面を練りつつあって、ますます練られてきていました。写真の芸術について写真が機械から出されるせいですぐさま芸術感覚の衰退を導いたけれども、偉大な作品ならば機械複製を巨大な創作を摂取するための縮小技術に取るのです。

延いては、作者はそれをきっかけにして感慨無量に嘆いて、初めて画家として出発して写真の芸術を発展させていて、描画の表現を現代の生活に不可欠な要素としてけれども、結局写真はひるがえって時代を絵画に背を向けるようにさせていたように、時代の徴候に対した感覚は目覚めてくるにつれて、その感覚に当たった社会的現象は往々にしてその感覚の出発点を疑わしいものだと思えるようにさせて進んでいる。写真はそもそも画家として写真家の創作や様々なレイアウトを始めていて、絵画が極めて推奨される時代の中で現代の特徴とする写真に絵画の技術を見えるようにしようとしていましたが、結局写真は絵画の時代を終結し絵画を生活を倣わない現代派に転じさせながら、現代事物を表現する美術を写真での美術にさせました。未来派の静的絵画は時間の造形要素を付け加えて後ほど映画に繋がり，しかしさらに、写真そのこと自分も同じ運命を辿って行って、静止画に変わった写真は益々写真から出て多量の写真が迅速に入れ替わるように成り立った動画にトレンド中の地位が代替されました。さて、写真は「現実」と「芸術」との間の、写真の機械性および群衆性と芸術との間の葛藤のうち、だんだんと美しく表現するようになりつつありました。

それで、「写真小史」は芸術と自然の章に行きかかります。この章では芸術と自然のそのままの形態との異なりが「独自に作り出された形の刻印づけであり、新たに生み出されたものである」だと見つけて結論付けました。

次に、「写真小史」その著作の中において文章の進行につれて「芸術と自然」の章を辿ってきました。作者は自然の美と芸術の芸術性との異なりから初めて徐々に写真と芸術的創作との関連にも言い及んできました。芸術とはなんでしょうか、芸術とは大自然の暗く壮大な神秘を体現しているのと類似して捉え難く人間の心と脳髄から有機的に生まれた、第二の創造なのである！それが，芸術と美しい大自然とのこの異なりとして，大体の安定している本能の固定した表現でである蜜蜂の巣くい芸術の方が科学技術の進歩により造形の新しい手段、即ち芸術の創造性がテリトリーを開拓していき，自身の精神力を通じて大自然の永遠的な生成消滅の単調さを抜き出して自然の受動性に制約されるほかの生物を抜きん出て創造性の変化能力を身につけており，芸術性とはそんな主観の能動性が美しさを開くのである。なお，技術と芸術の手段の対応関係こそ、さまざまなすばらしい科学技術において高度な美的水準にあたる可能性が潜めているのであり，作者ヴァルター・ベンヤミンさんの時代では写真を形作るカメラがその例の高度な例なのであった。

そこまでに，作者たるヴァルター・ベンヤミンさんさんは抽象的で、知性的で思弁的なかつ哲学的な述べをしていており，続いて感性的で、具象化的で体験的なかつ美術活動的なすばらしい芸術製品を撮った写真を陳列しました。それらの芸術品から、芸術の発端が自然のできごとの形のリズムにしたがって繰り返し運動です表現したり心の魂をそんな運動形式の創作に寄せて定着したり、しかるのち自然のできごとを人間の生気に花開かせてしまって芸術品を成す、という云々を論述しました。それにつき、美的な体験の大幸せのことであると言えます。

次に、「ウジェーヌ・アジェ『写真集』への序」という「写真小史」の第二大章に辿ってしまった。前と対蹠的にし，「写真小史」の第一大章が絵画と写真との関連や移行から始めて写真の芸術性を述べて静止画の静的な姿から写真の歴史や芸術性を論っていましたが，その第二大章では芝居の劇から引退した無名の役者がパリを写真に写してしまったことから始めて論じ出しました。その写真家のアジェは，劇の効果らしく劇で化粧された様々な仰々しいキャラクターの誇張した視覚形象から解放され，日常生活に近づいた主題すなわち質朴なテーマを取り始めました。「写真小史」はこれから写真作家の数人について彼らの作品および彼ら自身の風体を描写し美学的にコメントしていて写真鑑賞の味わいは深かったのでした。さらに，写真作家たちは写真を絵画のように描く密かな努力を常に果たそうとしていても当人がそんな努力の企図を認めようとしない場合が多い、という状況をも提起しました。

しかし，絵画において全体像を描写するのは常態的でバランス上にすべきことでも，写真の方が常にもっぱら人物像の一部などを撮ろうとして，肖像写真では全体像の場合がほとんどない。そういう写真作家の努力、被写体のたましいのこめていそうのところを一生懸命に求めてクローズアップにして写真の(注：写真の独特の)魅力を表現してそんな美の感じを一生懸命に伝えようとしており，そしてそんな技法は肖像画に限るわけは決してなく，いろいろな被写体の場合でも見られるのです。写真作家のアジェは，彼の風の写真が「写真小史」のこの章で陳列されていてよく味わってあります。

最後，『顔、映像、それらの真実について』の章では，再び具象化した感性的な美学味わいから抽象的で思弁的な哲学の思考につながってきます。ひとまず唯名論と実在論のである両立から始まり，唯名論では世界のことが現実に実在していることは個々の事物だけで一般的に共通するものの本体は実在していないという見方，実在論ではそんな共通の普遍概念が実在していると認める見方なのです。「写真小史」の作者は，それをきっかけに普通概念につながる平板化しつつあった当時の時代の傾向に対して論っていました。そっちで論及した平板化は，最初が作者の所在した時期のある期日で発見された死体から始まり、様々に異なった個人の状態たちと個人に向かっていた環境の作用力の状態たちは，同じく「死」の単調な具合に帰着しました。それを作者は死による顔と映像の平板化と名付けました。次に，社会による顔と映像の平板化に辿り着き，それは階級、文化の集団的帰属によった平板化で，匿名の具合によく似ており，死による顔と映像の平板化と大きく違って個性を嘘つけのように隠匿するらしい力なのです。もっと次に、作者が紹介したい「平板化ではない顔」が登場してきて、そんな顔をどのように写す、芸術的にものを見る写真家のグループ、先ほど紹介した唯名論者であって写真を被写体の単独的特性を感光板に定着したがってたまらない「類似性写真家」のグループ、および凡そに類別された実在論に従う写真家たちという第三の写真家グループ、というなのです。その第三グループの写真家の考えや創作表現に対して，作者は次の節に写真作品につれて鑑賞しながらそっちに認識されるべきもの甲斐を解説しました。

後書き：デジタル化した時代の今のデジタル化した写真から見ても，偉いヴァルター・ベンヤミン様の見解は，やはり時代遅れが全然見られない，なぜなら，具体的な技術から工事工程のように写真をアクセスしたり評価したりするのではなく，写真を芸術的創造とされた心的表象という事象のアングルから，どの技術の過程を手法に表出された写真でも，心理表象にある写真のイメージが心理的・芸術文化的に可能な意味は，審美性の高い心理構築が審美や哲学におけるメカニズムの性質であり永久なのである。