想起と再認に関した無意識の心的態勢について

記憶において記憶された内容を再組織しないでそのまま再現させる再生、意味の要旨を抽出して再現する想起と想起しなくてももう一度会ったら認識できる再認が各自に異なって存在し，その現象に対して無意識の力動の視点から見ると，能動的な想起と受け身な再認の区別のポイントは，前者が外来の自己対象の情報提示に依頼せずに，自ら能動的に情報提示を発動たりしてから，「想起していない」体験世界に分裂を起こしながら，その起こしている体験上の分裂が「想起してしまう状態」への心理的ポテンシャルを提供して，「想起していない」状態で無意識を抑圧しながら心的バランスが形成されている状態への打破その事柄が引き起こすかもしれない抵抗は，それによって克服されやすい，という無意識のメカニズムの差別があると考えられ得るのである。そのために、記憶の熟練によって「想起していない」体験世界から「想起してしまった」状態まで所要の時間は僅かで気がつかれないようになっていき，そして記憶は熟練するほど、そもそも抑圧されていた記憶を覚えて陳述する有能感は易くなり，そして「想起していない」体験世界への分断が引き起こした分裂感が苦痛を掻き立てるわりに，新しい心的バランスは熟練の程度により早く形成されてきて，「想起していない」体験世界への分断が引き起こした分裂感の苦痛も記憶が熟練すれば熟練するほど，苦痛が明らかにしないうちに速やかにその苦痛が消えてくる。