トラウマを形成する心的バランスの破綻

トラウマを形成する心的バランスの破綻

一般的に，トラウマが常に攻撃性やリビドーの両側から，もっと良いように言えば現代精神分析の立場に近づいて言って「抱える環境となる可能性に満ちた空間に相応しい至適なフラストレーションという形の区間」に向いて調節されている満足や愛着へのトラウマは，至適なフラストレーションの区間に入った良い刺激の不足やその区間を離脱した損傷性刺激の多過ぎという両側」から構成する。しかしどちらからのトラウマでも抑うつポジションとParanoid-Schizoid position(妄想-分裂ポジション)というポジション二つの間のバランスの破綻という形で現れ，例えば愛着に値する対象に傷害されたり奪われたりする場合が、愛着の個人親和性的なニーズの自己対象繋がりが切られて，妄想-分裂ポジションに属した衝撃性の心的外傷体験をされながらも，トラウマの形成に行けば必ず復元もしくは復元に代われる愛着への代償ができない具合という抑うつポジションに属した外傷体験をもされなければならなく，両方が一緒で心理的バランスを捻り壊しているとき，個体は良い刺激を求めるので拡張してしまう自己システムを目指して自己修復でもできなければ，悪い刺激を避けて今より収斂してしまう「より収斂した領域で新たに統合してしまう自己」に収束しようにも、その過程は外傷的な刺激が自己に衝撃することに同一化しやすいせいで(急にその両者間の粗い相似を見抜くのが間に合わないから)収束できない，という窮まった境地になりやすくなる。もしそんな窮まった境地に立たせられると，心的バランスをどちらからも調節する余地がなくなってくるはめにされてきて，心の傷口が益々広がってきてトラウマになってくるというメカニズムなのである。